対談TALK

03

ヤフー前社長・井上雅博[追悼対談]

Part4 カルチャーは永遠に

2017年08月25日

ヤフー株式会社 代表取締役社長

宮坂 学

MANABU MIYASAKA

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辞める人より、現役社員の気持ちが大切。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

話はちょっと変わるのですが、私がヤフーを辞める相談に行った時のことです。そうしたら、『うん、喜多埜と話しといて』と言われ、最初は聞いてもらえなかったんですよ。

宮坂様
宮坂

あ、そうでしたか。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

それで喜多埜さんと話していて、結局、決まりましたとなって、志立さんといっしょに3人で飯食いに行ったんですよね。いったんの引き継ぎもありましたから。でもそれだけじゃなくて、事業部内でみんなに報告した日も、最終の出社日にも、どちらも井上さんは顔を出してくれたんです。

宮坂様
宮坂

あの井上さんが?

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

そうです。

宮坂様
宮坂

それは意外です。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

ありがたかったですね。井上さんは辞める人には会わないという都市伝説みたいなものがあったので、これだけ頻繁に会っていただけるとは思ってもみませんでした。

宮坂様
宮坂

そもそもあの井上さんが辞める人には冷たすぎるとか、不自然じゃないですか。それで一度、尋ねてみたことがあるんですね、なんで辞めた社員と会わないんですかと。そうしたら、『現役社員にだって全員会えないのに、辞めた人間には会えないだろう』と・・・。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

順番が違うだろ、と言うことですね。

宮坂様
宮坂

たしかに理屈で言うとそうですよね。辞めた人を優先したら、現役社員が嫌がるかもしれない。私もそれは一理あると思いました。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

その話は初めて知りました。いいエピソードですね。

宮坂様
宮坂

でも、モトヤフの集まりに来てくれたとき、『いまでもヤフーを辞めた奴はバカだと思ってる。でも、少なくともオレが採用した奴ばかりだから、一個はいいところがある』と(笑)。この憎まれ口と優しさのブレンドが、相変わらずだと思いました。もう、たまらなかった。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

あと思い出すのが、検索に対する売上のプレッシャーですね。厳しいクォーターがあったとき、『トシのところで何とかしてくれ』という依頼がけっこうありました。そうしたことへのフォローの気持ちも、ちゃんと持っていたと感じています。

宮坂様
宮坂

あの時は悪かったとは、口では決して言わないものの、ですね。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

事業部長の立場からすると、自分の事業に無理させることは、正直言ってやりたくない。そこは経営者だから、やむなくだったのかな、と・・・。

宮坂様
宮坂

口は悪かったけど、組織のことはよく見ていました。だからそうやって負荷をかけたことに対しては、感謝していたと思います。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

私が辞める直前の頃は、私だけでなくリーダークラスも社長室に呼んで、一緒に話をしてました。何か思うところがあったのかもしれません。

宮坂様
宮坂

それで思い出したのですが、「門前の小僧、習わぬ経を読む」だからということで、中途入社の人間によく議事録を取らせていました。事業がわからないと、議事録なんて書けないじゃないですか。私も書かされたクチなんですが、おかげですごく勉強になりました。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

技術用語なんて、特に大変ですよね。

宮坂様
宮坂

そう、まず日本語からしてわからない。そこを先輩に尋ねながら、1年くらい真剣に書き起こしていたら、だんだんわかるようになってくるんですね。最近、テープ起こしのように書く人がいるけれど、あれはちょっと違うと思う。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

自分なりの解釈と、まとめる力が必要です。

宮坂様
宮坂

会話をひたすら打ちまくる人とか、それは将来、AIに取って代わられるでしょうから。

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