対談TALK

03

ヤフー前社長・井上雅博[追悼対談]

Part3 真っ直ぐに正直に

2017年08月18日

ヤフー株式会社 代表取締役社長

宮坂 学

MANABU MIYASAKA

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横着せずに、ナンバーワンのクオリティを作るんだ。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

よくヤフーの強みは何ですかと聞かれると思いますが、宮坂さんはなんて答えてます?

宮坂様
宮坂

よく言われるのが、トップページの強さ。いろんなサービスを作ってトラフィックを流し込み、全体が強くなっていくという見方です。でも私は決してそんなことはないと思っていて、いくら強いトップページからリンクを張ったとしても、うまく行かないサービスの方が多いです。

トップページからリンクを張るだけで一番のコンテンツになるのなら、そんなに楽なことはありません。まずはいいサービスを作って、トップページからトラフィックを流して初めて一番を取れるわけです。この「流す」という言い方も注意が必要で、そもそも良いコンテンツでないと、そう簡単には流れないですから。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

たしかに、そうですよね。

宮坂様
宮坂

井上さんがナンバーワンのクオリティを作れと強く言っていたのも、そこを意識してのことだと思います。そして作るにあたっては横着するなと。私は「Yahoo!ニュース」を担当している時期が長かったんですが、サービスとしては後発でした。でもそのうちに逆転するわけです。なぜできたかと言えば、「Yahoo!ニュース」のスタッフは、一日何千本の記事に目を通し、それを20年続けている。これはなかなかできることじゃない。ナンバーワンになる秘訣は、そうした愚直な取り組みにあると思っています。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

誰もができることじゃないから、ヤフー全体の強みになり得ると。

宮坂様
宮坂

あと覚えているのが、私はスキーやスノーボードが好きなので、スキー場の情報提供もやらせてくれと頼んだんです。八方尾根・プラス24センチ、滑走可能とか。ある程度流行ったコンテンツになりました。

ところがあるとき、井上さんにこっぴどく怒られたんです。彼はカスタマーサポートのメールを全部チェックするのですが、その中に「情報を信じて家族で出かけたら、滑れなかった」というのがありまして。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

それは怒られそうな展開ですね。

宮坂様
宮坂

そうしたことを彼はすごく嫌がりますから。でもこちらは提携先からもらった情報を掲載しているだけなので、どうしようもない。そう反論をしたら、『これからはお前がスキー場に全部電話して確かめろ!』と言われてしまった。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

実際にやったんですか?

宮坂様
宮坂

さすがに全部は無理ですから、手分けしてランダムに確認していきました。クオリティに関しては厳しかったので、人力を厭わない人でしたね。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

そこはけっこうポイントのような気がします。

宮坂様
宮坂

『ソフトウエアに不可能はない』と言っていた人なので、もうちょっとエレガントにやる手法もあったとは思います。でも当時はそれができない状況だったので、汗で補おうと考えたのでしょう。すごいのは諦めないところで、「情報提供者が間違えることもある」とページに書いておけばといいだろうと思うところを、『それじゃダメだ、電話しろ』と。

井上(ユニバーサルナレッジ)
トシ

そのへん、すごいですね。

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