導入事例CASE STUDY

02

お客様の行動に基づいて、順位が徐々に変わっていく。
「検索は生き物」だと気づかされました。

アスクル株式会社様 ご利用サービス : 商品検索エンジン P1,サジェストエンジン S3

2017年10月02日

アスクル株式会社
BtoCカンパニー プロダクション本部
プロダクトマネジメント
フロントディレクション

高橋由花

アスクル株式会社

LOHACOは忙しい女性をメインターゲットにした個人向けECサイト。アスクル株式会社が2012年10月に開業した。当初よりYahoo! JAPANと協業をはかり、同社ポータルのトップページに常設インデックスが掲示されている。アスクルの誇る配送スピードやTポイントとの連携を強みとし、ほかにはないデザインのオリジナル商品も好評。売上高は2014年に100億円を達成、2017年には400億円を超える勢いとなっている(2017年10月現在)。2017年にセブン&アイホールディングスとの業務提携を発表、「オムニ7」との相互送客や物流の共通化もめざしている。
                               
設立年月日1993年3月(プラス株式会社アスクル事業部)
資本金21,189百万円(2017年5月現在)
発行済株式総数55,259,400株(2017年5月現在)
上場証券取引所東京証券取引所第一部
代表者代表取締役社長 岩田彰一郞
売上高3359,14百万円(2017年5月現在 連結)
従業員数2,968名(2017年5月現在 連結)
事業内容オフィス向け用品などの通信販売

LOHACOとは

アマゾンでも楽天でもない。新しいEC市場をつくろうと考えた

ユニバーサルナレッジ

最初にLOHACO様がどうやって立ち上がって、どんな経緯で現在にいたるのか、そもそものところを教えてください。

アスクル株式会社 高橋様
高橋

本体であるアスクルがBtoBなので、BtoCであるLOHACOは歴史が浅いと思われがちです。でもBtoCのECサイト自体は1998年から始めていたんですね。アスクルのカタログを見たお客様が個人的にオフィス向けの文房具や消耗品を買いたい、そんなご要望にお応えしていました。

ただオフィス用品の個人ユースと言うことで、スケールを見込めるものではありませんでした。そうした中、世の中ではBtoCの市場が膨らんでいき、アスクルも本格的な進出を決定。幸運にもYahoo! JAPAN様とご縁ができて、LOHACOを立ち上げたという流れです。

アスクル株式会社 高橋様

ユニバーサルナレッジ

正式に始めたのはいつですか?

アスクル株式会社 高橋様
高橋

2012年4月に業務資本提携を発表し、半年後の10月にはスマホファーストでスタートしました。1カ月後にはPC版もオープンさせています。かなりのスピードでの立ち上げでしたが、Yahoo! JAPAN様が掲げていた“爆速”に助けられました。

ユニバーサルナレッジ

ターゲット設定など、サイトの路線はどのように?

アスクル株式会社 高橋様
高橋

「女性を意識した生活シーンでのEC」がコンセプトです。具体的には、30代から40代の有職の女性が、日用品の買い物をできるECサイトをめざしました。

当初のECでは顧客層が男性中心で、マニアックな家電や地方の特産物などが主力商品でした。しかしECの利便性はそういった特別なお買い物だけでなく、生活に密着した日々のお買い物にも広がっていくと考えました。ECが「第二世代」に入ると予想しておりました。お茶やトイレットペーパーを仕事帰りに買って帰るのは、重くてかさばるし大変。それなら ECでどうぞ、という狙いです。だから立ち上げ当時から当日配送を行っていました。

ユニバーサルナレッジ

もう5年経ちましたが、順調に伸びていますか?

アスクル株式会社 高橋様
高橋

基本的には急成長をしていると受け止めています。成長のエンジンとしては、Tポイントの効果も大きいと感じています。たまったポイントを使おうと考えた時、LOHACOが選ばれています。日用品は買いおきが効きますから、よそで溜めてLOHACOで使うという良い循環ができているようです。

ユニバーサルナレッジ

BtoBへの影響はありますか?

アスクル株式会社 高橋様
高橋

法人のお客様は決まったものを繰り返し買われる傾向があります。一方で個人のお客様は季節や流行、気持ちの移り変わりなどで、購入される商品がどんどん変わりますので、商品担当もサイト運用もその流れにしっかりついていかないといけません。そのスピード感にBtoB側も刺激されたところはあります。また、働いている方でないとアスクルの社名を知っていただけませんでしたが、今はLOHACOを通じアスクルを知る方もいらっしゃいます。対比しながらの相乗効果には期待しています。

アスクル株式会社 高橋様

ユニナレ以前

課題は見えていた。でも手作業での対処は限界だった

ユニバーサルナレッジ

では、検索についてお聞きします。弊社以前には、どういったシステムで運用していたのでしょうか?

アスクル株式会社 高橋様
高橋

自社内でオープンソースを使って開発・チューニングを行っていました。常に社内で試行錯誤をしていた感覚です。

ユニバーサルナレッジ

検索を自社開発していて、難しかったところはどこでしょうか?

アスクル株式会社 高橋様
高橋

さかのぼれば当社はスタートがBtoBでしたから、商品情報は法人のお客様にとっての使い勝手を優先していました。商品カタログとWEBの情報を合致させ、法人のお客様が仕事として効率的に探しやすい環境を整えていたわけです。しかしその方式が個人のお客様にとっても使いやすいかと言えば、そうとも言えません。そこで「個人が探しやすい」を切り口に、言い回しの違いやBtoBのカタログやWEBに載せていない情報を追加していきました。

そうしてデータを磨いていく段階があり、その次として検索に引っかかりはしたけれど、今度は並び順がうまく調整できないという課題が発生。そこで今度は順位を計算させるために情報項目によって重みの調整をかけ、なんとかクリアしました。そしてそこから先を考えたとき、人がいちいち判断を加えたり、固定のルールですべてを賄おうとしたりといったこれまでの延長線上の対策では不可能と思われる現象が起きてしまったのです。

ユニバーサルナレッジ

手作業での対症療法では、もう限界が来たと・・・。

アスクル株式会社 高橋様
高橋

よく事例に上げるのが、有名な「ダヴ」というブランドです。お客様はダヴが欲しいのに、検索ではつい「ダブ」と打ち込んでしまう。その時、LOHACOではトイレットペーパーの「ダブル」がよく売れていたため、そればかりがヒットしてしまいました。“ダブ”と打ち込まれた際、“ダヴ”を上位に持ってくることができませんでした。

解決のキーは行動履歴に違いない・・・そんな推測はしていたものの、そこまでを自社開発で柔軟にテストする余裕がなかったのでもやもやしていました。ここが三番目のハードルと言えますね。

ユニバーサルナレッジ

「ダヴ」と「ダブ」ですか、初めてお聞きしました。すごくわかりやすい例えですね。

アスクル株式会社 高橋様
高橋

単純な売上順のアルゴリズムだと、ダヴはトイレットペーパーに勝てないんです。ユニナレさんの検索エンジンを導入してからは、お客様が「ダブ」と打って「ダヴ」をクリックするので、ちゃんとダヴが上位表示されています。
「ダブ」の検索結果

ユニバーサルナレッジ

ほんとにダヴが上に来てますね。良かったです(笑)。商品情報の管理についてですが、BtoBにないものを自分たちで追加していったわけですね。

アスクル株式会社 高橋様
高橋

文章を付け加えたり、言い回しを変えたりとか、地道な作業です。商品を扱う部署に対し、類語など細かく記載してもらえないとヒットしないと伝え、社内の意識を変える努力をしました。ネットでの販売は期待値が大きかったこともあり、意識するメンバーが増えたことで商品情報の改善が加速しました。もしゼロマッチが発生したら、ほんとうに自社に扱いがないのか、詳細な確認も求めました。

ユニバーサルナレッジ

ゼロマッチのクエリを見て、確認するだけでもすごいと思います。それすらやらない会社様は多いです。

アスクル株式会社 高橋様
高橋

検索機能はサイトの評価でも目立つ項目ですし、トップダウンで「見つからなかったよ!」と言われたりしますので(笑)

ユニバーサルナレッジ

まとめさせていただくと、検索ランキングの満足度を上げることが、自社だけでは難しくなった、という理解でいいでしょうか?

アスクル株式会社 高橋様
高橋

はい、商品情報に手を入れたくらいでは解決できない問題が起こっていました。もうロジックを変えないと大きな改善は見込めない段階に来ていました。

ユニナレ以後

調整せずに順位が動く。「検索は生き物」だと気づいた

ユニバーサルナレッジ

その流れでの質問ですが、ユニバーサルナレッジを開発パートナーに選んでいただいた理由は?

アスクル株式会社 高橋様
高橋

まず行動履歴を活かすシステムを作りたかったこと、そしてEC経験の豊富さです。ユニナレさんの場合は大きなEC企業への導入実績があり、知見が期待できると思いました。検索の精度アップが目的ではなく、大切なのは売上の向上です。そこをきっとわかっていただけるのでは、と期待しました。

ユニバーサルナレッジ

小売業なので、売る側の事情を常に理解している必要がありますね。

アスクル株式会社 高橋様
高橋

一方でお客様に対し弊社が見せたいもの、売りたいものを見せるのではなく、満足度の高い検索結果を表示できるように心がけています。バランス感覚が大事ですね。

ユニバーサルナレッジ

導入後の効果は、どこまで検証されていますか?

アスクル株式会社 高橋様
高橋

コンバージョンは右肩上がりです。実は導入当初は、従来のシステムとあまり差を感じなかったんです。でもしばらくして上がり始め、社内からも検索結果の並び順が良くなったという声を聞くようになりました。

ユニバーサルナレッジ

何かわかりやすい事例はありますか?

アスクル株式会社 高橋様
高橋

野菜ジュースの表示の変化ですね。これまでは「野菜ジュース」と打ち込んでも、売り上げの高いトマトジュースばかりヒットしていました。それが野菜ミックスのジュースが上位表示されるようになり、社内でも褒められました。

「野菜ジュース」の検索結果

ユニバーサルナレッジ

なるほど。これを個別調整で対応しようとすると、大変ですね。弊社では「お客様の行動を見るとこうなるはず」というアルゴリズムを入れて、メジャークエリーやランダムクエリーを確認するようにしています。ただクライアント様の気になるクエリーを確認しているわけではないので、いつも気にしている人が「変わった」と言ってくれるのは嬉しいですね。

アスクル株式会社 高橋様
高橋

そうした事例がほかにもたくさんありました。さらに、「検索は生き物である」という気づきがありました。

ユニバーサルナレッジ

生き物・・・?

アスクル株式会社 高橋様
高橋

順位が毎日のように微妙に変わっており、お客様の行動を読み込んで対処しているのだと感じました。新商品だと当初は検索結果の下位に表示されて担当者をやきもきさせたりしますが、次第に表示順位が上がっていって検索結果がきれいになったり。前の検索エンジンでは、ここまでの順位の変動はなかったように記憶しています。

ユニバーサルナレッジ

いい表現ですね、検索は生き物である、と。

アスクル株式会社 高橋様
高橋

お客様が実際に来ている、そんな気配をリアルに感じます。

ユニバーサルナレッジ

サジェストのほうはいかがですか?

アスクル株式会社 高橋様
高橋

これまで手作業で1文字ずつ書き込んでいたので、新しいキーワードを追加しようにも手間のせいで諦めていたところもありました。また人力なので、ミスもありました。それがいまはシステムに任せっきり、ほんとうに助かっています。

LOHACOのこれから

キーワードは「良品データベース」。配送の強みにも磨きをかける

ユニバーサルナレッジ

これからLOHACOはどうなっていくのでしょう?

アスクル株式会社 高橋様
高橋

EC市場が成熟し、生活用品を扱うサイトも増えてきました。そうした中で、LOHACOならではの特色を出す必要性を感じています。キーワードは「良品データベース」、良い品がすぐ見つかるサイトです。

ECはそもそも選択肢が多すぎて、探すのに苦労することが多いものです。そうした中、商品を厳選することで「LOHACOで買えば安心」というポジションを、もっと打ち出して行きたいと考えています。

ユニバーサルナレッジ

セレクトショップのような発想でしょうか?

アスクル株式会社 高橋様
高橋

近い感覚はあります。日用品のセレクトショップとも言えるでしょうか。ただ、まだ欠けているカテゴリーもありますから、LOHACOの選択眼にかなった良品をもっと増やさないとなりません。たとえば生鮮食料品ですね。

ユニバーサルナレッジ

プライベートブランド(PB)の開発は?

アスクル株式会社 高橋様
高橋

BtoBだけを運営していた時代からもPB開発は主要な事業戦略でしたが、BtoCでも、大手メーカー様と一緒に物作りをしましょう、という発想は生きています。日用品で言えば「暮らしになじむデザイン」をテーマに、メーカー様から積極的に提案をいただいています。参加されるメーカーのデザイナーさんには、従来の店頭で目立たなければならないデザインという足かせが外れて、作り手として、LOHACOのスタイルを楽しんでいただいている印象です。

ユニバーサルナレッジ

配送など、表に出ない仕組みでの差別化はどうですか?

アスクル株式会社 高橋様
高橋

配送はBtoB専業の頃からの強みなので、それはこれからも進化させていかなければなりません。最新のトピックスとしては“Happy On Time”、受取時間が一般的な2時間枠よりきめ細かい1時間枠の指定サービスです。宅配便の不在率は一般的には20%という数字があるのですが、弊社のこのサービスでは2.2%という数字が出ています。さらに配送の直前に専用アプリで通知したり、お届けに関するサービスはお客様にも好評です。物流倉庫ではロボットを利用した効率化も進んでおり、いわゆるAI的なアプローチでご注文からお届けまで、より利便性の高いサービスを目指していきたいと思っています。

ユニバーサルナレッジ

ありがとうございました、LOHACO様の今後の発展に期待しています。
アスクル株式会社 高橋様

ユニバーサルナレッジは、EC サイト向けに購買行動に連動した ASP 型サイト内商品検索エンジン、キーワードサジェストエンジン(クエリーサジェストエンジン)を提供しています。